今日も定期考査、作品点検

 9月4日(火) 定期考査2日目、今日も管理人は作品の点検? 評価中かな。。。

 以前紹介した2年生授業課題、デザイン「絵文字」、ただいま前期の成績をつける前ですので、改めて点検しているところです。そこで、管理人が気に入ったものも出ていますので紹介します。 ※ただし、誤解のないように断っておくと、管理人が気に入っているのと、成績の評価が高いのは、完全には結び付かないので、ご理解ください。というのも、デザイン上優れていても、管理人があまり気に入らないものもありますし、逆にデザイン上は微妙でも、管理人が「おもしろいっ!」って気に入るのもあります。ので、その辺は理解ください。

 まずは、「彫」 これは面白い! 「彫」の右側は彫刻刀で彫った跡を描き、左側部分「周」の中に彫刻「ロダンの考える人」を入れたところが、うまいなぁ、と感心する作品です。

 続いて、「東」 これはもうお分かりですね、「東京タワー」です。スマートで、おしゃれを感じますね。東京と名の付くどこかの企業、使ってくれたらうれしいですね。もちろん著作権料は生じますよ! 作者と交渉を!

 次は、「響」 これも良い! 音が響く、広がっていく様子を「響」の上にシンプルに輪で波紋を描いていく、脱帽ですね、うまい!

 さて、次は「編」と「繕」 どちらも”家庭科”をイメージするものですが、アイデアとして上手くまとまっていますね。絶妙の単純化です。  

 続いて、これはどうですか、「避」 どこかで見たことありますよね、そうです、非常口のあのマークの人間です。避難する際にはお世話になるマークです。うまく取り入れましたよね。

 管理人が今回の全作品で、一番シンプルでうまいなぁ、と感心したのが、「烏」。黒一色で、一番上に烏のシルエット、漢字の一番下の4つの点に、烏の羽4枚。わかるわかる、これは上手い!

 以上です。今日はここまでの紹介。また後日、続きを紹介します! それではまた!

「平面構成」点検中

 9月3日(月) 本日から定期考査が始まりました。そのため、授業も部活動もありません。。。さびしい。。。

 投稿は、1年生授業課題、デザイン「平面構成」、作品点検の様子です。

 まず始めに、以下は、多摩美術大学 2016年入試ガイドの中身です。グラフィックデザイン科の合格者作品の紹介の様子です。当時のテーマは「ROBOT」だったようです。どの作品も上手くまとめられていて、”さすがだな” という印象を受けます。

 本校の生徒、皆が美大受験をするわけでは全くありませんが 、ちょっとでも参考にして欲しく、資料の一つとして机に出してあります。

 ところで、管理人が浪人生の頃、講師によく言われ続けたことがあります。それは、デザインには  ”疎と密が大事!”  という言葉です。当時は、若かったので、「ふぅ~ん、そうなんだぁ~。」くらいにしか思っていませんでしたが、この美術の世界に身を起き続けると、ようやくわかってきました。そうなんです、デザインは、疎の部分(間が空いている。あらい。まばら。) と、密の部分(すきまもなく集まっている。きめが細かい。)を上手く取り入れることが大切なんです。

 あらいだけでは駄目です。きめ細かすぎても駄目です。基本は、「ここが見せ場だ!」という箇所を作り、そこはきめ細かく、丁寧に、 他はあらく、ざっくりと、  これですね。。。ただし、例外はいくらでも出てきます。最終的には、良いものは良いんです!!!  我ながらお粗末!

 今日は1年3、4組の作品点検でした。。。良いものはいいぞ。頑張っていこ~!

色彩理論から見た「パン屋」

 9月2日(日) 休日なので学校は休み。。。休みの日にブログを投稿しなくてもいいかな、と思う管理人が今日ここにいますが、まぁせっかくなので、投稿します。(今後は、休日、平日問わず、毎日投稿しないかもしれません。”ほぼにち”を目指しますが、目指さないかもしれません。。。)

 さて、昼前に行きつけのパン屋に行きました。よく訪れるパン屋ですが、いつ行っても賑わっています。人気なんですよ、ここのパン屋。。。味も良く、値段もリーズナブルですので、そりゃ人気出ますよね。  写真は、人が少なくなった一瞬を撮りました~。。。

 ところで、パン屋というと何色のイメージを持ちますか? 管理人は、店の内装・外装問わず、緑・茶系の色を連想します。このお店も外装は緑・茶系統の建て構えです。内装は残念ながら、緑が少なく、”もうちょっと入れれば、もっとパンがおいしく見えるのになぁ~”、といつも思っています。

 色彩理論からみると、パンは赤黄茶系統の色です。それに対しての補色を考えると、緑系統の色が当てはまります。

  下図は色相環と補色の関係

 みなさん、補色という概念はご存知でしょうか? 色相環の中心を軸にして、対角線上に位置する2色の色を互いに「補色」と呼びます。この2色が同時に並んだとき、その2色はお互いに目立ち、際立たせ、きれいに見せる効果が現れます。

 言わんとすることは、パンの近くに緑系統の色を持ってくると、お互いに色を引き立たせるため、パンがきれいに見え、おいしく感じる、という現象を起こすことができます。例えば、内装の一部、壁紙などに緑を持ってきたり、メニュー表として緑の黒板を置いたり、パンの下に敷く敷物やポップ、トレーなど、ちょっとでいいので緑が入るとパンの色が違って見えます。ただし、彩度の高いパーマネントグリーンのような緑ではなく、やや彩度を抑えたサップグリーンとフタログリーンの中間のようなちょい青緑に寄ったかなという色がいいかな、と管理人は個人的に思います。

 色彩理論は、社会の中に取り入れられていることが多く、とくに日常生活に密着し、有効に取り入れることで、よりよく快適になりますね。

 まぁ、何はともあれ、今日も焼きたてのパンはおいしかったです。(^O^)/

イームズ サイドシェルチェアの紹介

 9月1日(土) 学校はお休みです。管理人も一休み、としたいところですが、道展に出品する作品を描き始めていますので、休みらしい休みにはならないですね。なぜか、疲れてしまいます。

 さて、管理人の作品の進行状況、と言いたいところですが、まだ微妙ですので、管理人の美しいと思うデザインを紹介する投稿です~、どうぞ。。。

 先週、イームズのアームシェルチェアを紹介しましたが、イームズはわかっていただけましたか? イームズは1950年代を代表するデザイナーで、イームズ夫妻ですね。。。本日は、イームズのサイドシェルチェアを紹介します。

 サイドシェルチェアは、アームシェルチェアの3年後、1953年に登場します。安価でシンプルなこのチェアは瞬く間に世界に広がり、イームズの名は世界を席巻しました。

 1950年以前、家具といえば、金属や木材で製作することが当たり前でした。そこに革命的に誕生した素材が、FRP(ファイバー・レインフォースド・プラスチック)でした。ファイバーグラス(ガラス繊維)をプラスチックで固めたものです。これが安価にでき、軽く、丈夫、まさに家具にうってつけの素材でした。イームズは人々に家具を安価に提供したいという強い意志の元、FRPを使い製品を製作していきました。その代表作といえるのが、サイドシェルチェアやアームシェルチェアでした。

 ところで、サイドシェルチェアにはいくつかのバリエーションが存在します、知っていますか? このシェルチェア、座る部分と脚の部分に分けることができます。まずは座る部分からですが、その素材がいくつかあります。一つ目はFRPですが、1950年代当初からしばらくはこの素材でした。しかし環境問題に悪影響を及ぼすということで1990年に入り生産中止に追い込まれました。それを受け、素材がポリプロピレンに変更され、再び世に登場することになりました。それからしばらくして、2013年にプライウッド(木材合板)、2014年に、FRP、グラスファイバーの復活となりました。

 ということで、現在ハーマンミラー社から販売されているサイドシェルチェアのシェル部分の素材は、ポリプロピレン、プライウッド、FRPの3種類になります。。。どれも味があって良いですよ。ちなみに管理人のサイドシェルチェアは、ポリプロピレンです。以前紹介したアームシェルチェアは、FRPです。

次に、脚の部分ですが、、、話が長くなりますね。管理人、話し出すと止まらないもので、すいません。。。脚、現在は4種類あります。①ワイヤーベース:エッフェルベースとも呼ばれ、もっとも美しく、一番よく見かける脚です。管理人所有のチェアもこの形状です。②4レッグベース:一般的な椅子の4本脚で、足元に空間があり、足が入ります。③ドゥエルレッグベース:エッフェルベースに似た形状で、4本脚の素材が木材で、エッフェルベースよりもシンプルな形状です。④スタッキングベース:4レッグベースより脚部分が幅広で、スタッキングできる仕様になっています。⑤ロッキングベース:ロッカーベースとも呼ばれゆらゆらロッキングできる形状です。

 これ以上語ると、もう止まりませんので、本日はここまで。。。やっぱりイームズは美しいですね。

想定デッサン

  8月31日(金) 本日は8月最後の日ですね。平成の8月も今日で終わりです。。。 

 ↑上記写真は、過去の西高生作。

 投稿は、3年生の受験向けデッサンになります。今回「文房具を使用する両手」が課題。

 デッサンは、美術、デザインを志す者としては、必須の課題です。管理人が学生の頃、とくに浪人の頃は、ひたすら描いていました。石膏像を基本に、静物、人物、手、想定、、、毎日毎日、描き続けましたね。

 デッサンのコツは、修練の末につかむものですが、簡単に言えば、まず形をとり、そして陰影をつける、以上。。。というと、バカにしてるのか、となりますので、もう少し丁寧に書くと、形をとる際は、垂直・水平・傾き・比率・・・をよく観察する。陰影は、鉛筆の濃淡(H系:B系)の違いを利用し、紙の上で空気遠近を表現する。また、面を意識し、単に塗る動作ではなく、立体的になるように、鉛筆の跡(タッチ)を残す。。。

管理人が使用する用具。学生の頃からこれらの鉛筆で戦ってまいりました(^_^)v

 

 今進行している課題は想定デッサンですので、やや頭を使いますし、難しいかな、と思いますが、単に塗る作業ではなく、膨らんでいる、へこんでいる等、その箇所が持つ特性を鉛筆の種類を変えたり、こすったり、タッチの方向を意識しながら表現できると良いですね。。。彼女が描いているのは、”コンパスを使用しているところ” で、その状況を下から覗いている様子です。。。たぶん、相当むずい。。。でも、アイデアは良いぞー!!しっかり描きこもう!! きっと上達する!!。。。現在、2時間弱経過  B3画用紙  

管理人も一緒に描いています。↓

アイデアスケッチ

   8月30日(木) 本日の授業は、1年3、4組と1年5、6組。昨日投稿したクラスとは違い、スケジュールの関係上、ようやく平面構成に入り、アイデアスケッチが始まったところです。テーマは「未来」「FUTURE]、どちらを使っても可。

  1年3、4組のアイデアスケッチの様子です。美術教員の仕事は、生徒が描いたモノ、考えたモノを変えさせることではありません。課題スタートに際し、制作の流れを示し、それにかかるであろう制作時間を確認し、”考える、描く”にあたっての方向性を提示し、必要なモノを与え、もちろん参考になる作品、過去の作品などは鑑賞させ、最終的には、個人の描いたモノを尊重する、そして、もっと良くなるのであれば助言をする、それが仕事だと思っています。

 生徒も一人の作家です。未熟さは垣間見られますが、いつか世界を席巻するデザイナーになるかもしれません。。。。みなさん、期待しています!

「未来」「FUTURE」

 8月29日(水) 投稿は、1年生美術授業の様子です。今日は、午前中に1年7、8組、午後から1年1、2組でした。どちらも平面構成の着色に入ったところです。テーマは「未来」または「FUTURE」。

 教科書は、「光村高校美術1」を使用しています。制作手順が出ているページがあり、せっかくですので、参照しながら授業を進めています。その一コマに溝引きの活用例が記されており、生徒が購入した絵の具セットにも溝引き棒がありますので、溝引きとは何かを理解し、実践的に数本ひいてみました。上手く引ければ、制作に十分生かせます。練習あるのみ!

  さて、課題の制作はどうですかね? 制作時間は、正味6時間程度です。アイデアスケッチから本制作へ進めて行きましょう。

 溝引きの他に、教科書には、マスキングテープの活用例も載っていますので、今回、マスキングテープも使用可としています。必要に応じて使用すると綺麗に仕上がりますね。

  平面構成とは、あるテーマの元、平面上に構成されたデザインをさします。「こう描かなければならないっ」という決まりはありません。リアルなものを要求しているわけでもありません。テーマに沿って描かれた構成を、鑑賞する相手にいかに伝えるかが一番の勝負です。そのために、自分自身がいくつもの視点を持ち、どの視点が一番伝わるかを考え、考えがまとまったら、平面上に「形」と「色」で起こしていく、それが平面構成ですね。

 さて制作も半ばにさしかかります。よく考え、丁寧に着色していきましょう。

風のコンダクター

 8月28日(火)、本日、授業は2年生の油彩「自画像」。昨日も自画像の投稿だったので、今日の投稿は別のものを。。。とは言っても、部活動は定期考査1週間前を切っているので、休みになっています。

 ということで、西高にあるOBの作品を紹介。。。札幌西高は、これまで著名な作家を数多く輩出しています。故佐藤忠良先生、故本郷新先生、故山内壮夫先生、故本田明二先生、、、あげればきりがありませんが、上記の先生達は、みなさん彫刻家です。先生方の作品は西高の前庭に飾られています。地域の住民、誰でも見ることができます。まずは、佐藤忠良先生の作品から紹介、、、と言いたいところですが、それはまた後日として、、、みなさんの誰でもが見ることができない作品から紹介してみたいと思います。

 西高生なら知っています。外部の方は知りません。というのも、この作品は外からでは見ることができないからです。その作品が、西高OB:国松明日香先生制作「風のコンダクター」です。設置されているのは、札幌西高構内、校舎に囲まれた中庭、通称ライトコートにあります。コールテン鋼で作られていて、大きさが2m程度の彫刻です。1971年制作とあります。(コールテン鋼:あらかじめ鉄の表面に銅やニッケルなどで緻密な保護性錆を作り出して本体の鉄が錆びるのを防いだ鉄のことです。)

 さて、この作品、管理人はタイトルが好きなんです。「風のコンダクター」。コンダクターとは、オーケストラなどを指揮する、指揮者のことです。一般的に統率者とも訳されています。

 今日は穏やかでしたが、ここ数日は風の強い日が続きました。結構強かったですよね。。。「風のコンダクター」様、何を思われますか?

自画像 難しいかぁ。。。

 8月27日(月)、涼しい一日、いやっ、やや肌寒い一日でした。本日は、2年生の美術、現在は油彩「自画像」を描いています。ようやく終盤にさしかかったところですね。

 生徒は、1年時に一度、油彩「静物画」を描いていますが、まだまだ油彩に”慣れる、慣れない”の話になりますね。とくに人間の肌の色は複雑です。光が当たっている部分、陰・影の部分、パレットで絵の具を作って、それを塗ってもなかなか上手くいかない。そうなんです、一度塗ったくらいではなかなか上手く肌は表現できません。暗部から描き始め、徐々に明部を描き起こしていきますが、乾いてから、赤や青、首元などは緑などを薄く塗ったりして調整していく。そうすることで、肌感が出てきます。でも、、、なかなか上手くはいかない。こればかりは、何度も描く、時間をかけて描くにつきますね。

 誤解のないように、記しておきますが、管理人は生徒に「写真のように、本物のように、写実に描け!!」とは全く言っていません。生徒が絵師になるわけでも、全員美大に行くわけでもありませんから、写真のように描くことが条件では、心底疲れ果てます。ただ、生徒はリアリティを求めます。鏡越しの自分の顔を”なんとかそのまま表現したいっ”、という欲求なんですね。コツを伝授するのは時間がかかります。頑張ってください。

 肌色の色見本↑

 生徒が使用している絵の具は、12色。オイルは、ペインティングオイルのみ。。。これだときついので、ジョンブリアン、コーラルレッド等を用意してあげています。

 本当は、テレピン・ペトロールなども使用したいのですが、個人購入すると自己負担額が増えますので、泣く泣くペインティングオイルのみで描いています。

 部室にある、ペトロール、テレピン、シッカチフ、その他いろいろ。授業でも使いたいなぁ~、と思う管理人もいますが、我慢我慢、使い出したら、お金がパンクする。。。

 授業は短い時間ですが、油彩とはなんたるかを学べれば良いかと思います。ここまでよく頑張ってきました。次回最終回ですね。

やっぱりイームズ は “美しい”

 8月26日(日) 、学校は休日です。本日の投稿は、美術部の話題、授業の話題ではなく、管理人のうんちく、ほんのちょっとだけ書きたいと思います。

 イームズのロッキングチェアは“美しい”。。。

 “イームズ ”、知っていますか? 管理人は札幌西高で勤務する前に、おといねっぷ美術工芸高等学校という、小さな学校に勤務していました。そこでは日々、ものづくりに勤しみ、随分鍛えられました。そんな中、ものづくりの中心になるのはなんといっても椅子でしょう。椅子を勉強する上でイームズ は外せません。

 ところで、イームズ とは、、、デザイナーの名前です。といっても、二人なんです。チャールズ・イームズ とレイ・イームズ のことで、ご夫婦なんですよ。ご夫婦でデザイナーを続け、この世に素晴らしい作品を残してくれました。

 お二人が活躍されたのは1950年代、ミッドセンチュリー期なんて言われています。70年近く前になりますね。

 今回紹介している椅子は、ロッキングチェアです。この椅子は、本体部分がアームシェルチェアと呼ばれ、脚の部分がロッキングになっているバージョンです。“美しい” これにつきます。現代のコンピュータでのものづくりと違い、制作当時はアナログで、何度も作っては形状を確かめ、図面を起こし、優しい座り心地になるように努めたことでしょう。

 管理人が思う良いデザインとは、いつ見ても“美しい”と思えるものです。美しいものは美しいんです。イームズ 、70年経っても“美しい”と思います。

 みなさんも、家具を選ぶ際、長く使うことをイメージし、良いものを選んでみてください。

※少し値は張りますが、イームズ を購入する際、リプロダクトではなく、デザイナーと契約を交わした正規販売店のハーマンミラー社またはヴィトラ社をお勧めします。ちなみにリプロダクトとは、既にデザインの意匠権が長い年月で切れてしまったため、その商品は誰が作ってもよく、正規販売店が作ったものではないもの、ということです。偽物とはまた違います。正式にリプロダクトということをうたって世に出してもいいんです。

  座面裏 ハーマンミラー社 Eames(イームズ)刻印